お箸の機能と手先の器用さ

お箸は2本の棒を片手で操ります。
仕組みは単純で、食事のための道具ということは誰でも当然のこととして知っています。 普段何気なく使われ、意識していないお箸ですが、機能としては、摘む、挟む、支える、運ぶ、切る、裂く、ほぐす、はがす、すくう、まぜる、くるむ、乗せる、押さえる、分ける等言葉にすると実に多彩な働きを持っていることがわかります。

日本人は、この2本の棒を小さなころから食事に使い、微妙な指の使い方や力加減をしつけられ習得します。 そうした繊細な指使いが手先の器用さを培い、世界的にも評価の高い精密な機械工業などを支えてきたのではないかと考えられています。

割りばしとエコロジー

箸ギャラリー門でお取り扱いしている割りばしはすべて国産の割りばしです。 日本では年間240億膳程の割りばしを消費しているといわれています。 そのほとんどを中国産などの輸入品に頼っています。

しかし、近年森林資源の保護の声が高まり、中国政府は対日輸出を停止する方針をとっています。 使い捨てのために森林を伐採するのは確かに環境破壊につながりますが日本製の割りばしは本来非常に環境にやさしい箸なのです。 現在国産の割りばしは奈良の吉野などで作られその材料は主に杉が使われています。 さらに細かく言うと、建材などに使えない余った部分、廃材を大事に使い、割りばしとして加工しているわけです。 ですので「割り箸=環境破壊」とは限らず「国産の割り箸=エコロジー」といえるのです。

資源の少ない日本人が頼りにしてきた山や木は、日本人にとってとても関わり深いものであって割り箸も一つの文化、美意識が生み出した伝統的な道具の一つともいえます。 割りばしは江戸時代の”引裂箸”が起源といわれ現在まで残ってきました。その手軽さ、便利さと清潔感、衛生面での優れた性質は特別なものです。 形状や材質にも個性があり、正月に使われるもの、高級料理に利用されるもの様々で形の面白さ木目の美しさ、木の香りの楽しみなど鑑賞に値するものもあるのです。

マイ箸もよいですが国産の割り箸の美しさにももう一度注目してみたいものです。